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vol.11
ダイバーシティコンサルタント・キャリアコンサルタント
植田 寿乃
筑波大学芸術専門学群卒後、ベンチャーリンク、アスキーなどを経て、1991年ANAビジネスクリエイトにてマルチメディア事業部長。1998年独立し、有限会社キューを設立。「モチベーション・リーダーシップ」 「エグゼクティブのための人間力アップコース」「女性リーダー育成セミナー」等のオリジナルカリキュラムの企業研修や、「女性を活かす組織、潰す組織」「魅力あるリーダーが持つ人間力とは」等の講演を多数実施。また、2007年2月からは女性活躍推進に取組む企業の情報共有の場である「女性と組織の活性化研究会」の主宰を務める。著書に「女性活躍推進」「会社の未来は女性が拓く」他多数。有限会社キュー代表。
「働き方改革」が本当に意味するものとは?
両立支援の制度の充実は当たり前となり、女性は働き続けるようになったものの、女性活躍という点では大きく疑問が残る。その一つの指標が女性管理職比率だ。これまで取り組みを後回しにしていた企業もようやく重い腰を上げているが、本気で取り組んでいないから結果も出ていない。法律で、無理やりやれと言われても、実際にはやらない。頭ではわかっているが腑に落ちないからやらない。会社はなぜ本気になっていないのか、取り組みに対する真剣度が低いのか。
それは、50〜60代の男性経営陣、40代半ば以上の男性管理職が本気になっていないからだ。昭和の時代の会社の在り方、人生観が会社のマネージメントやリーダーシップにも出てしまっている。男性は仕事を最優先とした企業戦士として働き、女性は結婚したら家庭に入り子供を産み子育てに専念するほうが良いという人生観だ。
政府が打ち出した「働き方改革」は、会社の構造&制度&マネージメント、個人の働き方&生き方ひいては人生観を昭和時代から一新して平成ダイバーシティ時代に変えていこうという取り組みだと思っている。これは、会社の構造改革や制度の変更だけでは到底対応はできない。大事なことは個人の意識改革&行動変革だ。私が17年間指導しているモチベーション・リーダーシップ研修は、「自分もイキイキ働き、部下がイキイキ働くことを応援できる人間力リーダーになることを目指す」ものだ。昭和の人生観から抜け出せた、生まれ変わったような気持ちになったという感想が多い。
生涯現役社会の実現が掲げられる中で、70歳近くまでどう働くのか。実は「働き方改革」は働く人全員の「人生観改革、人生設計図改革」であり、それをうまくできた人こそが会社でも活躍し、幸せなキャリアを歩めるといえるのではないだろうか。