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vol.4
SAPジャパン株式会社 常務執行役員人事本部長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
アキレス 美知子
上智大学比較文化学部経営学科卒業。米国Fielding大学院組織マネジメント修士課程修了。 住友スリーエム人事統括部長、あおぞら銀行常務執行役員人事担当、資生堂執行役員などを経て、2015年1月より現職。SAP社外においても、横浜市政策局男女共同参画推進担当参与、NPO法人GEWEL副代表、2017年Global Summit of Womenの実行委員会コアメンバーなどを務め、幅広く活躍中。
その価値がある
女性の活躍推進は今や時代の要請になり、官民挙げて様々な支援策に取り組んでいる。にもかかわらず、多くの女性は「子育てと仕事の両立は難しい」と感じ、働く女性の6割が第一子出産を機に退職するといわれている。しかし、子育ては、キャリアの重荷なのだろうか。男女に限らず、子育ては自らの経験の幅を大きく広げ、仕事では出会うことのない人たちと出会い、多くを学ぶ機会になる。そして、何より楽しい。夫と私も2人の娘を授かり、ワーキングペアレンツとしてここまで歩んできた。娘たちの保育園時代は、保育時間の延長を求めて市役所に陳情に行ったり、資金集めのためバザーを毎年開催していた。アメリカンスクールに進んでからは、学校行事に加えて、クラスでの読み聞かせやケーキを焼いて提供するなど、親としてのボランティアも求められ、時間のやりくりに奮闘した。当時はてんてこ舞いしていたが、今となっては楽しい思い出である。さらに悩ましかったのは夏休みだ。5月から8月末までと長期なので、その間娘たちをどうしようかと途方に暮れた時もあった。娘たちも寂しい思いをしただろうし、そんな娘たちに申し訳ない気持ちもあったが、彼女らの日々成長する姿に背中を押してもらってきたように思う。
振り返ってみると、育休も時短勤務もなかった時代に娘たちを取り巻く様々な活動に関わっていたわけで、ワーク・ライフをどうマネージしていたのか、我ながら不思議である。何度もピンチに見舞われたが、そのたびに助けてくれた家族や友人、職場の人たちがいた。そのおかげで今がある。キャリアと子育てに悩む女性が多いが、どちらも追いかけてほしい。もちろん、完璧にはできないだろう。しかし、たくましく成長した娘たちの姿をみて「その価値がある」と断言できる。