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vol.2
日本労働組合総連合会(連合)会長代行/NHK労連議長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
岡本 直美
1975年 NHK入局
1985年 日本放送労働組合(日放労)専従中央執行委員
1995年 日放労中央書記長、連合初の女性代表中央執行委員
2005年 NHK労連議長
2009年 連合初の女性代表会長代行、現在2期目
男女共同参画会議議員 中央環境審議会委員等
真っ赤な原稿
NHKの労働組合で常に「初の女性○○」と言われて育った私には、女性の先輩はいない。85年「女性中執を!」と私に白羽の矢を立てた当時の中央書記長が、私のメンターである。組合役員は文章を書くことが多い。大勢の前で話すことも多い。団体交渉では瞬発力と判断力が求められる。組合員をまとめるには指導力と説得力も必要。これらを徹底して指導してくれたのが、その書記長だった。
記者出身で特に文章には厳しかった。書いた原稿が幾度となく真っ赤になった。要求を検討する時や交渉の際には「経営ならどう考えるかを常に意識しろ」と教えられた。当時女性は『女性部』を担当するのが通例であったが、女性部以外の全ての専門部を経験させられた。彼が引退した後も常に師であった。
経営管理出身だった私が、記者やディレクターにジャーナリズム論や番組論を語ることが出来たのも直された文章のおかげである。その師匠が今回、NHKが発行している「放送研究と調査」で「放送界のジェンダー」をテーマに論文を書いた。資料を提供し、その原稿に初めて赤を入れた。メンターへ恩返しが出来たような気がした。