vol.39
NTTコミュニケーションズ株式会社 常勤監査役
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
小林 洋子
1978年電電公社入社。サントリー出向を経て1985年民営化時にはCIを担当しNTTのロゴマーク作成。1999年分割に伴いNTTコミュニケーションズへ。OCNの責任者としてOCNを会員数1にする。2008年NTTグループ初の女性取締役として法人事業本部チャネル営業本部長就任。同年日経WOMAN「ウーマン・オブ・ザ・イヤー2009」の一人に。2010年NTTコム チェオ代表取締役社長。2014年から現職。経済同友会幹事。
女性をわざわざ管理職にする意味
「正直言って、女性をわざわざ管理職にする意味がまだわからない。わが社は業績も良く、お客さまの信頼も厚く、従業員満足度も男女ともに高い。それで十分じゃないですか?」これは、何年か前の話ではなく、つい先週、ある経営者の会にて耳にした話である。成功体験に溢れた企業には、こんな本音を持っている経営層も少なくないのかもしれない。
しかし、女性活躍推進法案が可決されると、従業員301人以上の企業では「義務」として、数値目標や時期を含む女性活躍推進の行動計画を届け出ねばならず、その内容も実態も公表される。
優良な企業には「くるみん」のような認定マークが与えられるだけでなく、公共調達における評価や補助金の優遇措置がとられる。
既に優遇実施している自治体もあり、「価格は高かったが女性活躍点で落札できた」企業の話も聞いた。女性活躍推進の社会学的意味には関心のない方々も、利益に直結となると重い腰が上がるのではないか。