vol.35
連合 会長代行/NHK労連 議長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
岡本 直美
NHKに入局後、単組中央書記長等を経て2005年よりNHK労連議長。1995年から連合女性特別中執、副会長を経て2009年から連合会長代行
ITUC(国際労働組合総連合)執行委員
内閣府男女共同参画会議議員
内閣府ワーク・ライフ・バランス推進官民トップ会議委員
二人の30%?割れないだろう!
ポジティブアクションの有効な施策の一つに、クオータ制がある。連合が加盟しているITUC(世界161の国・地域の労働者が加盟)では女性執行委員を最低30%とする規約がある。このほか産業別の国際組織でも執行委員や大会代議員等の女性比率を40%以上とするなど、労働組合でもクオータを導入している組織は多い。このためか、国際会議に参加し、女性参画の理解が進むリーダーも多い。連合でもクオータ制を導入し、2020年までに本部役員を30%以上とすること等を決定している。
しかし、地域組織となると規約化はなかなか進まない。このコラムのタイトルは、女性役員30%を提案した際に、東南アジアの委員長から発せられた言葉である。確かにその国で2人分の権利があれば、30%は0.6人分である。反対のための屁理屈でしかないのだが、組合役員のステータスが高い国では女性に席を譲ってはくれない。実績を作りながら勝ち取るしかないと、アジアや中南米の女性たちはそれぞれの国で努力を続けている。