vol.37
前多数国間投資保証機関(MIGA)長官
ウーマン・コーポレート・ディレクターズ日本支部共同幹事
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
小林 いずみ
1985年メリルリンチ証券会社(現メリルリンチ日本証券株式会社)入社。2001年代表取締役社長に就任。2008年同社代表取締役退任、世界銀行・多数国間投資保証機関長官就任。2007年〜2008年度経済同友会副代表幹事。現在はANAホールディングス、サントリーホールディングス、三井物産各社の社外取締役を務める。
候補者の多様性が第一歩
国を挙げての女性活躍支援は嬉しいが、実行の鍵となる中間管理職の多くは具体的なアクションに右往左往している。私が5年弱勤務した世界銀行グループは、ダイバーシティー促進のアクションとして、マネージャー職の指名の際、必ず多様な候補者をリストする事が要求された。最終的にはその職に最も相応しい者が選ばれるわけだが、少なくとも候補の段階で性別、人種等を考慮した多様な人材を探す必要がある。候補者リストに多様性が反映していないと、リストは突き返され、追加の候補者を探させられることもある。仮にマイノリティー候補者がその職に就けなかったとしても、そこに名前があがることで存在はより広く認知され、次の機会につながる。こうした努力の結果、私が勤務している間、グループの上級職に就く女性の割合は格段に増えた。私のチームでも女性のシニアマネージメント比率が5割を超え、中にはその後グループ全体の副総裁に抜擢された女性もいる。候補者がいないと言い訳する前に、積極的に候補者を発掘する努力が実を結ぶ。