vol.38
G&S Global Advisors Inc. 代表取締役社長
コーン・フェリー・インターナショナル太平洋地区最高顧問
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
橘・フクシマ・咲江
1972年清泉女子大学卒業。ハーバード大学教育学修士、スタンフォード大学MBA。ハーバード大学日本語講師、ベイン・アンド・カンパニーを経て、1991年コーン・フェリー入社。2010年の独立まで、日本支社社長、会長、米国本社取締役を務める。花王、ソニー、ベネッセ等の女性初の社外取締役を歴任。現在ブリヂストン、味の素、J.フロントリテイリング及び三菱商事の社外取締役。経済同友会副代表幹事.
2008年ビジネス・ウイーク誌「世界で最も影響力のあるヘッド・ハンター・トップ100人」に唯一の日本人として選ばれる。著書に「人財革命」(祥伝社)「売れる人材」(日経BP)他多数
日本も女性登用のモデルケースになれるのでは?
昨年11月に世界経済フォーラム(WEF)の男女間格差指数改善のためのタスクフォース会合がNYであり、出席したのだが、そこで今までにない経験をした。このタスクフォースは、3年前にメキシコ、トルコ、日本が選ばれ、男女間経済格差是正を目的に活動をしている。「今までにない経験」とは、過去の会合では「何故日本では女性の登用が進まないか」の説明に終始せざるを得なかったが、今回は、(成果はさておき!)、「政官民」を挙げて、女性の登用に力を入れているとの説明が出来たことだ。
日本では、女性登用の阻害要因が共通認識となりつつあり、その根本問題として「長時間労働の是正」が認識され、男女共に生産性向上のために業務効率をあげ、ワーク・ライフ・マネジメントが可能となる「新しい働き方」の議論が始まっている。
まだ、問題解決の入口に立ったに過ぎず、重要なのは確実な実行だが、多くの国が今後直面する労働人口減少等の課題の解決策の先進例となることも夢ではない。