vol.32
株式会社感性労働研究所 代表
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
宮竹 直子
1982年 株式会社ジェーシービー入社。営業部にてプレミアム会員専用窓口担当、人事部(採用・研修)グループマネージャー、品質管理部長、執行役員コミュニケーションセンター部長を経て、関連会社ジェーシービー・サービス取締役社長となる。2013年8月独立。「感情労働」といわれる仕事に従事する女性が増える中、女性の感性を発揮し、活き活きと働く環境を作り出すには?…をテーマに、株式会社感性労働研究所を立ち上げる。 日本電信電話ユーザ協会「電話応対技能検定指導者」/6seconds認定EQプラクティショナー、SEI EQアセッサー。
女性だからこそ
結婚や子育ての経験がなく、自分の時間を自由に使え、管理職としての仕事にもやりがいを持って臨んでいた私は、『ダイバーシティ』という言葉を他人事として受け止めていたようだ。しかし50歳を過ぎた頃、その言葉が、自分の目の前で手招きしている気配を感じ始めた。「これからもずっと今までのように働き続けられる保証はない」…女性特有の体調の変化を感じ、高齢の母のことを考えはじめた頃であった。人生に訪れる「転機」、予期せぬ「出来事」、取り巻く環境の「変化」は、誰にでも起こり得ることである。多様性の受け入れ方を考えていた立場から、突然「受け入れてほしい」と願う立場に変わる可能性はゼロではない。
しかし、私たちが『多様性』について語る時"特別なこと""やっかいなこと"と捉えてしまってはいないだろうか。自分のこととして、ごく当たり前に受け止め、向き合い、積極的に活かしていけばよいのに…。
「女性だから」「高齢だから」の後にはなぜか否定的な言葉が続くが「…だから”こそ”」と言ってみれば、『多様性』を活かす機会や場面を生み出せることを意識したい。