vol.19
G&S Global Advisors Inc. 代表取締役社長
コーン・フェリー・インターナショナル太平洋地区最高顧問
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
橘・フクシマ・咲江
1972年清泉女子大学卒業。ハーバード大学教育学修士、スタンフォード大学MBA。ハーバード大学日本語講師、ベイン・アンド・カンパニーを経て、1991年コーン・フェリー入社。2010年の独立まで、日本支社社長、会長、米国本社取締役を務める。花王、ソニー、ベネッセ等の女性初の独立取締役を歴任。現在ブリヂストン独立取締役、同友会副代表幹事。2008年ビジネス・ウイーク誌「世界で最も影響力のあるヘッド・ハンター・トップ50人」に唯一の日本人として選ばれる。著書に「人財革命」(祥伝社)「売れる人材」(日経BP)他多数
女性の市場価値
グローバルな「人財市場」で仕事をして20年になる。その間、日本市場における女性の「市場価値」は大きく変化している。20年前には、クライアントは主に外資系企業であり、米国企業では男女の別を指定することは法律で禁じられているため、表立っては指定しないものの「取引先の日本企業が女性を認めない」との懸念から、女性の需要は少なかった。それが、10年前には、日本企業で活用されていない優秀な日本人女性を獲得しようとする外資系が増えて来た。同時に、求人対象の職域も以前は広報、マーケティングという領域が主だったが、社長、財務担当役員等に拡大して来ている。さらに最近では、男女の別を問わないという場合が大半である。
過去に、仕事を通して何千人のエグゼクティブの方々にお会いする機会があったが、「優秀さ」に男女の別は全くない。また、世間でよく言われる「女性は心配りがある」「男性は決断力がある」等の通念は、当てはまらないということも痛感した。日本企業も企業の戦略に最適な人財を、国籍、性別等に関係なく選任し、競争力強化を図ることが戦略的課題である。
【メンター・アワード2011 優秀賞受賞】
全日本空輸株式会社 代表取締役社長
伊東 信一郎
1974年、九州大学経済学部卒業。同年全日本空輸株式会社入社。人事部長、専務取締役執行役員営業推進本部長を経て、2007年4月より代表取締役副社長執行役員、2009年4月より代表取締役社長に就任。
「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進
弊社では、「挑戦する人財の創造」という人事理念の下、女性の活躍が、ANAの将来の可能性をさらに広げ、企業の成長につながることを確信し、メンター制度をはじめとする、さまざまな育成支援策を構築するとともに、社内の意識・風土改革に取り組んできた。その結果、結婚や出産などのライフイベントで退職する社員が減少する一方で、女性の管理職比率は上昇、後輩のロールモデルとなって活躍する女性社員が増えるなど、取組みの成果が顕著に現れている。
2011−2012年度ANAグループ経営戦略では、グループ社員と企業の継続的な成長を支える基盤として、「ダイバーシティ&インクルージョン」の推進を重要課題の一つして掲げており、これまでの取組みをさらに深化させていく。今後も、いきいきと活躍する女性社員を、制度の構築、職場風土改革、マインド醸成などの視点で徹底的に支えていきたい。