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Vol.16
株式会社三菱東京UFJ銀行 人事部ダイバーシティ推進室長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
鈴木 初枝
大学卒業後、東京銀行入行。神田支店に配属され、テラー業務がキャリアのスタート。その後、海外派遣にチャレンジし、New York支店に異動、グローバルな観点から会社の動きを実体験。帰国後は支店と本部で国内業務に従事。東京三菱銀行の誕生後、京都に異動し、課長登用。事務と業務推進、攻めと守り両面の管理職を経験。2001年、東京三菱銀行初の女性支店長として千駄木支店に異動。2003年東長崎支店長。2006年三菱東京UFJ銀行誕生と相前後して人事部女性活躍推進室長(現ダイバーシティ推進室長)。
かかあ天下と女性活躍
『かかあ天下』は、『からっ風』と並んで上州、つまり群馬県の名物と言われている。斯く言う筆者は群馬県出身である。かかあ天下と言われると、女性が強くて、家庭においては夫が小さくなっている絵を思い描く方も多いのではないだろうか。家庭内においても妻が弱い立場でないことは確かだが、これにはりっぱな背景がある。上州は古くから養蚕が盛んで、織物産業で栄えた町も多い。つまり、農業以外でも女性が働く場所が多く、女性労働力があてにされてきた歴史がある。女性が働いて経済力を持てば、家庭内で発言力も大きくなるのは当然で、これがかかあ天下という表現を生んだのであろう。働き者の女性が家事だけでなく、一人の有能な機織りとして認められ、女性個人も、家庭も、そして地域産業も潤っていく。
どこかでみたような構図である。われわれが今めざしている女性をとりまく環境の原型は、日本の社会でも根付いている地域や産業があったのだ。それらでできたことが、ITを始めとした各種技術が飛躍的な進歩を遂げた現代の日本でできないはずはない。性別に関係なくそれぞれが能力を活かして、より豊かな社会をめざすDNAは受け継がれているはずである。
株式会社日立製作所 情報・通信システム社
情報通信グループ 国際情報通信統括本部部長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
田村 洋一郎
1985年株式会社日立製作所 入社、情報・通信システム社産業・流通対応SE部門、技術部門、企画部門を経て、2005年より現職。
「目的」の空洞化について
最近の情報技術の発達で、情報交換の手段・量が飛躍的に多くなり、問題解決に必要な情報が容易に手に入る時代になっている。しかし、よく人と話をすると、手段や方法の理論・実践説明は実に詳しいが、何が目的であるかという説明が不明瞭なことが多い。目的が「抽象的」で、手段・方法が「具体的」なので、結果が「不透明」になる。
たとえば、いろいろな方から相談を受けるのだが、悩みの内容や解決方法は自分で具体的に理解しているのに、何の目的があって悩むのか自分で具体的に話す人は少ない。だから、最終的に、「曖昧で、何かすっきりしない。」相談内容になってしまう。
情報の氾濫や手段の多様性が、逆にこのような状況を招いてしまったのかも知れないが、自分を含めて、「人生の目的」とは何かということを具体的にするように、いつも自分に問い直したい。