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Vo.15
住友商事株式会社 人事部長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
遠藤 貴也
大阪大学経済学部卒。1984年に住友商事に入社。1991年〜1996年に英国住友商事(ロンドン)人事総務課長、2002年〜2008年に米国住友商事(ニューヨーク)総務人事部長を経て、2010年4月から現職。
新しい世代
「人材育成の更なる強化と多様な人材の活躍促進」を掲げてグローバル連結ベースで人材育成に取り組む当社だが、ここ最近、女性の活躍の場も大きく広がってきた。南米ボリビアの4000メートルの鉱山開発の現場でプロジェクトを推進している女性などもその一人だ。86年の均等法施行後入社の世代が課長職にも就くようになってきた。総合商社の女性総合職は、大手五社で見ると1500名程度。従業員25000名の6%、総合職全体に占める割合は1割程度であろうが、その多くが20代でこれからが楽しみだ。
商社業界に限らないが、20代の彼女たちは同期の「彼ら」との男女の差を意識しない世代だ。企業の経営陣になることや、総合職キャリアだけが女性の活躍の場だと言うつもりはないが、キャリア継続のための様々な環境は随分整ってきたと思う。男女の社会的役割分担意識も時代と共に変わってきた。意識レベルでは男女の役割に違いがあるべきという思いがなくなりつつあるのが今の若者だと思う。良い面ばかりではなかろうが、何か期待させてくれるところもある。
成人式帰りであろうか、目の前を通り過ぎていった着物姿とスーツ姿の若者を見ていてふと感じたことを、今回のコラムの題材にさせてもらった。個人的には、男子の草食化傾向には何としても歯止めはかけたいが・・・。
キリンアンドコミュニケーションズ株式会社 代表取締役社長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
河野 真矢子
1986年キリンビール株式会社入社、東京支店、宣伝部、商品企画部、九州支社、人事部を経て、2008年3月、キリンアンドコミュニケーションズ株式会社代表取締役社長に就任。内閣府男女共同参画推進連携会議議員。
メンタリングプログラムを開始して
キリングループではメンタリングプログラムを開始して、ちょうど3年になる。メンタリングプログラムとは、人と人との対話関係・支援関係を少しだけ人工的に支えるために制度化した仕組みである。導入の狙いは、女性社員にとってのロールモデルの不在や相談できる人の不足を補い、キャリアビジョン形成と継続就業を支援し、離職率を低下させるとともに、経営へ携わる意欲を醸成することにあった。
そのプログラム導入に携わり、また、私自身も役員にメンターになっていただき、その後、3名の女性社員のメンターにもなった。本来、人は自分の考えや気持ちを理解してもらいたいと思っていると実感した。
人生や仕事経験での先輩・後輩間で、考えや気持ちを少しでも共有しあえると、双方にとって次の新たな価値を生み出す機会になり、勇気が湧いてくる。時間と労力はかかるが、当初の狙いの達成だけに留まらない効果がある。
気負いすぎず、急ぎすぎず、誠実なメンタリングの輪が広がっていくことを願っている。