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vol.11
実践女子大学 教授
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
鹿嶋 敬
日本経済新聞に入社後、生活家庭部長、編集局次長兼文化部長、編集委員、論説委員などを経て2005年4月から実践女子大学教授。内閣府男女共同参画会議議員、日本生産性本部・ワーク・ライフ・バランス推進会議代表幹事などを兼任。著書に『恵里子へ 結納式の10日後、ボリビアで爆死した最愛の娘への鎮魂歌』(日本経済新聞出版社)、『男女共同参画の時代』(岩波新書)、『雇用破壊 非正社員という生き方』(岩波書店)など
第3次男女共同参画基本計画策定の考え方を答申
7月末に、「第3次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方」を総理に答申した。同計画は5年ごとに見直しを行うもので、ということは男女共同参画社会基本法が施行になってすでに10年が経過したということでもある。その割には、知名度は高まったものの内容についての周知は十分ではないし、何よりも男性の関心が低い。答申にあたっての議論はそんな反省から出発し、どうしたら実効性ある内容の答申ができるかを模索した。
指導的地位の女性を増やす実効性ある手法として提言したのが、ポジティブアクションである。国会議員・女性候補者比率のクオータ制、男女共同参画推進企業を公共調達等で評価するインセンティブ付与、目標と期間を定めて努力するゴール・アンド・タイムテーブル方式などがそれである。
翻って私たちパワーアップ会議が推進しているメンター制度や実践塾も、管理職など指導的地位の女性を増やす有力な方法だ。基本計画は国家行政のマスタープランだが、私たちのような運動の下支えがあってこそ、有効に機能すると思っている。
【メンター・アワード2009 特別賞受賞】
NTTソフトウェア株式会社
代表取締役社長
伊土 誠一
1947年北海道生まれ。71年日本電信電話公社(現NTT)入社。大型コンピュータDIPS用OS、ソフトウェア工学の研究開発に従事。2000年NTT 情報流通基盤総合研究所長。03年NTTソフトウェア常務取締役 営業戦略本部長、07年代表取締役社長に就任。
自律と相互支援でワーク・ライフ・バランスを推進
ソフト開発は人材が全てであり、常に能力向上を図りながら働き続けられる職場環境を提供することが大切だ。その一環で、当社では在宅勤務制度とメンター制度を導入した。 在宅勤務制度は、妊娠・育児・介護中の社員を対象とした。無駄な通勤時間をなくして育児等の時間に充てる、勤務時間を分断して学校行事等に参加するなど、柔軟な働き方が可能になる。同時にこのメリットを上手く活用するためには、社員一人ひとりの「自律」が強く求められる。メンター制度は、家庭との両立の悩みが多くなりやすい女性社員を対象とした。ランチタイムを利用し、メンティとメンターが対面でコミュニケーションすることで、相互支援を図る。短くても濃い時間であり、両者に良い影響を与える。育児に焦点を当てて開始して4年目に入るが、最近はキャリアについての話題が増えている。
それぞれの人生で大変な時期を乗り越え、活躍し続けることができるように、今後も制度の充実と自律・相互支援のマインド醸成を積極的に進めたい。