TOPページ > パワーアップ会議から > 推進委員コラム
vol.10
連合会長代行/NHK労連議長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
岡本 直美
1975年NHK入局 85年からNHKの組合、日放労の専従役員となる。
2005年から日放労とNHK関連団体の労組からなるNHK労連議長に就任。
09年10月の連合結成20周年大会で初の女性会長代行に就任する。
男女共同参画会議議員
「ポジティブ・アクション」が死語となる日
連合はいま、3つの大学で寄付講座を行っている。『働く現場の抱える課題』『連合の求める政策と目指す社会』等を働く現場からの視点で講義をしている。私もある大学の前期修了シンポジウムに参加し、男女共同参画の意義や女性が就労継続するための職場環境の整備等の講義を行った。この場で、男女共同参画において重要な施策である「ポジティブ・アクション」について、男女双方から批判的な意見が出された。
確かに自分自身振り返ってみれば、学生時代に男女差別を感じた事はなかった。学生のうちは、女性の「積極的登用」という考えが充分に理解できないのは当然の事なのかも知れない。しかし、就活を始めれば否応なく現実に突きあたるだろう。
「2020年・30%」まであと10年。30歳前後になった彼女達がポジティブ・アクションと関わりなく、能力を十分に発揮し、企業で活躍している姿を想像しながら、現役世代の私達がもっとしっかり取り組まないと…。とあらためて感じた出来事であった。
【メンター・アワード2009】個人部門 優秀賞受賞
帝人グループ理事/帝人株式会社 CSR企画室長
田井 久惠
大阪外国語大学フランス語科卒。日本企業に入社するも、米国留学のため退職。1981年帰国後、欧系エンジニアリング会社に社長秘書として入社。その後英国総領事館総領事秘書、米系製薬企業人事部長を経たあと2000年10月帝人株式会社に入社。初代女性活躍推進室長に就く。2004年4月−2007年3月グループ会社人事総務部長を経て2007年4月から現職。2008年6月帝人グループ理事就任。
異文化の架け橋として
欧米系企業に勤務していたときは、異なるビジネス慣習の間でいわば東西文化の架け橋としての仕事に従事してきたが、10年前に、長い歴史を持つ日本企業(帝人)の女性活躍推進室長に就いてからは、ジェンダーという異文化の間を取り持つことが仕事となった。男性中心で培われた企業文化の中では、女性たちは明らかに不利な立場にある。それは、家庭責任の重さの差であったり、ビジネスパーソンとしてのトレーニング不足であったりするが、メンタリングは、主として後者を補強する試みであろう。
私自身の経験は微々たるものに過ぎないが、若い人たちには、そこから自分に役立ちそうな要素を、遠慮なく勝手に抜き出して利用して欲しい。 ただし、職場のダイバーシティはもはや男女の違いにとどまらず、年齢や国籍、ライフスタイルなど多岐にわたる。社員が個性を発揮することを妨げず、むしろそれを強みにして活躍できる職場が増えることに、異なる立場の間を取り持つことを通して、少しでも貢献できればうれしいと思う。