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Vol.9
株式会社資生堂 代表取締役副社長
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
岩田 喜美枝
1971年東京大学教養学卒業後、労働省入省。働く女性支援や国際労働問題を担当し、03年厚生労働省雇用均等・児童家庭局長を最後に退官。同年株式会社資生堂に入社。取締役執行役員、取締役常務を経て08年同社初の女性代表取締役副社長に就任。この間CSR、H&BC事業、国内アウトオブ資生堂事業、人事、お客さま情報、広報、企業文化を担当。 社外では、男女共同参画会議等政府審議会委員や、ワーキングウーマン・パワーアップ会議代表幹事、経済同友会幹事、社団法人ガールスカウト日本連盟評議員も兼任。
ワーキングウーマン・パワーアップ会議
パワーアップ会議の活動のひとつに、「パワーアップ実践塾」があり、私が塾長をさせていただいています。昨年度は第一期15社が集い、仕事帰りの時間に6回の勉強会を持ちました。参加企業は、業種が多様、参加者のレベルも企業により人事部長から人事部の一担当者まで、女性の活躍の水準から見ても進んでいる企業もあれば後発企業もある、という具合に実に多様な集まりでした。 私は、「参加型」の塾にすることと「実践型」の塾にすることを掲げて開校しました。具体的には、講師の話を聞くだけではなく、毎回、小グループに分かれて情報交換や議論をすることとしました。また、塾で議論したことを社内に持ちかえり社内で議論することと、次回の塾のテーマについて社内の現状をまとめてくることを毎回宿題として課しました。参加企業の努力のおかげで、初めて経営会議で女性社員の問題を議題にすることができた企業があるなど、成果を出した企業も少なくありません。 近々、第二期の募集が始まると思います。皆さんの応募をお待ちしています。【メンター・アワード2009 優秀賞受賞】
プロクター・アンド・ギャンブル・ジャパン株式会社
代表取締役社長
桐山一憲
1985年、同志社大学商学部卒業。同年P&Gに入社。営業統括本部東京支店長、営業統括本部長を経て、2005年にP&G、グローバルスキンケア担当ジェネラルマネージャー、2006年に同ヴァイスプレジデントに就任。2007年9月よりP&Gジャパンの代表取締役社長。2006年よりNPO法人【仕事と子育て】カウンセリングセンターの理事も務める。
ダイバーシティの原点
「女性は…」「男性は…」といった固定観念で人を判断することは誰にでもある。固定観念は社会で生きていれば誰でももっていて当然で、様々な場面で判断の根拠になる。 結婚したばかりの女性社員に転勤の打診をすることは酷なことなのか親切なことなのか、意見が分かれるところだろう。だが転勤でつかめる新たなチャンスを他人の固定観念で検討の機会さえ奪われてしまったら残念なことだ。転勤できなかったとしても、自分の意思で「ノー」の判断をするのとは全く意味がちがう。結果が同じだからよいというものではない。 幼い子どもを連れて海外に赴任したり、工場で人事を担当したりしている女性社員たちを見ると、あらためて固定観念をとりはらって「個人」を知ることの大切さを感じる。ただこれが組織で機能するためには、イエスであってもノーであっても、個人の意思が尊重され、断ることができる企業文化が必要だ。 人は一人ひとり違う。それが、ダイバーシティの原点だ。