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第3回 推進委員コラム
多数国間投資保証機関(MIGA)長官
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 代表幹事
小林 いずみ
1985年メリルリンチ証券会社(現メリルリンチ日本証券株式会社)入社。業務部長、業務統括本部長を経て2001年代表取締役社長に就任。2008年同社代表取締役退任、世界銀行・多数国間投資保証機関長官就任。2007年〜2008年度経済同友会副代表幹事、教育問題委員会委員長。2002年〜2008年大阪証券取引所社外取締役。ワシントン在住。
ロールモデルに期待すること
女性の活躍推進についての議論では必ずといってよいほど「ロールモデル」の存在の少なさが話題になる。そもそも「ロールモデル」とは何なのか?人には百人百様の能力と個性がある。自分を活かすということはその個人の強みを伸ばし、性格にあったスタイルで活動することであろう。「ロールモデル」は女性とは限らない。男性であっても尊敬できる人であれば、その人の尊敬に値する理念、行動を自分の個性や能力と融合させて自分なりのスタイルを作り出せばよいのである。「ロールモデル」は決して目指すべき将来の自分そのものではない。究極の「ロールモデル」は自分の中で作り出し、イメージする目指すべき自分の姿である。
そう捉えてみると、周りには老若男女、案外多くの「パーシャル・ロールモデル」がいることに気づくだろう。結局は「なりたい自分像」を持つことに尽きるのではないか。パワーアップ会議では、形に捕われない自由な発想で提案をしていきたい。
株式会社あおぞら銀行 常務執行役員人事担当
ワーキングウーマン・パワーアップ会議 推進委員
アキレス 美知子
上智大学比較文化学部経営学科卒業。米国Fielding Graduate Institute組織マネジメント修士課程修了。ハワイ大学留学中に結婚、帰国後上智大学に編入し、在学中に長女、次女を出産。卒業後、育児をしながら、富士ゼロックス総合教育研究所でコンサルタントとしてキャリアを始める。シティバンク、モルガンスタンレー証券、メリルリンチ証券、ABNアムロ証券、住友スリーエム、3M Asia Pacificなどで人事部門のリーダーとして活躍後、2008年8月より、現職。ビジネス界での講演も多く、現在APEC女性リーダーネットワーク、ウィメンズサミットなどの委員も務めている。
「ロールモデル」と「メンター」
「女性のロールモデルが社内にいない」という声をよく耳にする。確かに日本企業における女性の管理職比率は、まだまだ低い。日本生産性本部によると、課長級で平均4.9%、部長で2.8%、役員は、たったの1.0%という調査結果がある。もちろんロールモデルは単に役職で決まるわけではない。「あの人のようになりたい!」と思える先輩がロールモデルである。具体的には、活き活きと仕事をしていて、プライベートも充実している、一緒にいると元気をもらえる人等など... ふとわが身を振り返ってみる。目標にするロールモデルはいただろうか?むしろ、試行錯誤しながら、自分なりのキャリアを作ってきたように思う。 けれど、幸いにもメンターは複数いた。キャリアの節目節目で、時に励まされ、時に叱られ、そして気づかされた。これまで私がやってこられたのは、親愛なるメンターたちのサポートがあってこそと心から思う。 さて、ロールモデルにしてもメンターにしてもひとつ言えることがある。それはただ待っていても現れないということ。まず、自分が何を求めているのかをはっきりさせる。これが曖昧だと捜しても見つからない。そして周りをじっくり見てみる。女性が少なければ男性でもいい。社内にいなければ社外でもいい。「ぜひ、この人!」と思う人がいたら、自分から声をかけよう。接点をつくろう。 多くのキャリアの先輩たちは、やる気のある後輩の力になりたいと思っている。私もその一人である。パワーアップ会議、メンター研究会の活動を通じて、熱い後輩たちに出会うのを楽しみにしている。