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インタビュー「私とメンター」
新しい仕事がきたら、面白そうだと取り組んだ
アキレス キャリアの節目でメンターに相談に行く方が多いのですが、長谷川社長はいかがでしたか。長谷川 そうですね。私はキャリアはなるようになるものだと思っていますので、自分でこうなりたいとか、ここに行きたいとか、あまり思ったことはないですね。実際、人事部門に6年いた後で労働組合に8年専従していましたので、ちょっと特殊なキャリアだと思います。唯一言いましたのは、専従から会社に復帰する時、80年代の半ばでしたが、これからはグローバル化だろうと思い、国際事業部に行かせてくれということだけでした。それから2年間の促成栽培を経て、ドイツに3年、その後はアメリカのジョイントベンチャーに行き、そこに都合十年いました。「ここへ行ってやってみないか」といわれると、「ああ面白そうですね」と取り組んできました。 労働組合に専従している時に上部団体に専従しないかという話があって、それは迷いましたけれどもやめました。そこぐらいですかね、誰かに相談したのは。あとは何となく新しい仕事が降って湧いてくる。それじゃあ面白そうだからやってみようかと。
アキレス 直感的に進むべき道を選んでいらっしゃるのかもしれませんね。
長谷川 どうでしょうか。自分はついていると思う人間で、完全な楽天主義です。積み重ねていけば何とかなると思う度合いが強くなります。
それは、私が中学の時から家を離れて下宿生活をしていたということが、多分相当大きな影響を与えたと思います。それからアメリカで特に強い影響を受けたのですが、30代の後半から50才直前ぐらいまでの13年間、日本で言うと一番脂が乗る、仕事をする、そういう時期に海外に行っておりました。
常に向上するために努力をする
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アキレス美知子(あきれす みちこ) 上智大学卒業後、米国Fielding Graduate Institute組織マネジメント修士課程修了。 住友スリーエム人事統轄部長、3M Asia Pacificの人財マネジメント統轄部長、あおぞら銀行常務執行役員、資生堂執行役員を経て、現在NPO法人GEWEL理事、横浜市男女共同参画推進担当参与。「ワーキングウーマン・パワーアップ会議」推進委員、及び同会議メンター研究会座長。 |
長谷川 そうみたいですね。ある程度経験をすると、先読みはできるようにはなりますけれど、むしろ分からないところが面白いのだと思いますよ。それは、宇宙があって、地球があって、人間がいる。そういう環境の中で常に向上するために努力を続けることですね。例えば地球環境で言えば、人間がピークには100億ぐらいになって、食料や水や化石燃料が不足するだろうと思いますが、技術の進歩と人間の精神の成長、みんなが等しく分かち合って無駄をほとんどなくすようなレベルにまでいけば、100億でも十分生きていける地球であろうと思います。人間の進歩と資源の枯渇等は微妙にできていて、いい方に行けばカタストロフィーやクライシスはないだろうし、悪い方にいくとクライシスになるかもしれない。だから、人間というのは常に一生懸命努力しないといけないんだなという感じがします。
男女の能力の違いの決定的な証拠は何もない
アキレス 昨今、アベノミクスを受けて日本の企業もようやく女性の活躍を経済の成長の一つとして捉えるようになってきました。経営者として今の状況はどうご覧になっていますか。長谷川 結論的にはよいことだと思います。むしろ今までそういうことが話題になったことはあっても、具体的な活動に展開されることがなかったという意味では、総理が自ら先頭に立って盛んに訴えられ、様々な政策もそれを促進するような形でされていることは非常によいことではないでしょうか。
というのは、もともと性の違いと役割の違いはありますけれど、能力という点において女性と男性が違うという決定的な証拠は何もないわけですから。女性に向いている仕事や男性により向いている仕事というのはもちろんありますが、それは能力の差ではなくて、子どもを生んで育てるという女性の役割と、一生懸命働いて家族に生活や食べ物をきちんと供給するという役割との分業の中から出てきたと思いますね。そのこと以外に基本的な差はないと思っています。
そういう意味では現代の社会において、女性と男性の能力の差があるとは全く思いません。私も社長になってから何度も女性がもっと活躍できるような環境をつくろう、その後押しをしようと思いました。社長になって間もなく、たまたま私がよく知っていたイーライリリーの日本の社長が、ウィメンズ・ネットワークというのをつくってやっているということを聞いて、自社の中でもウィメンズ・ネットワークをつくって、先輩が後輩の相談に乗るようなことから始めたんです。
その時に、「社長としてもコミットして、もっと女性が活躍できるような環境をつくっていきたいと思います」と言っても、「社長はそう言っているけれども、ロールモデルが全然いないじゃないですか」と女性からいつも言われます。「この会社のどこに成功した人がいるんですか」というんですね。
そこが鶏と卵の関係になってしまうんですよ。先ほど申し上げましたように、私は「だったらこうしろ」という問題解決型なので、「外から取ればよい。一人だと孤立するから、営業所長でも何でもいいからどこかの女性の管理職を5、6人まとめて取ってこい」と言うと、「そんな無茶なことを」と言われました。こういうことをずっと積み重ねてきて、少しずつそういうことが会社の中でも浸透してきたんです。
この3〜4年は私自身、同友会の代表幹事として本格的に女性の管理職育成に取り組んでいます。その前にも社で女性の雇用が進んでいるところの事例なども勉強させていただきました。そういった中にある時期に数値目標をつくったというケースが結構あったので、うちもつくろうよということで、2015年までに女性の管理職を5%にするとしました。政府の2020年までに30%と比べるとかなり違いますけれど。
アキレス 3%から5%に増やすのも大変なことだと思いますが、進捗はいかがですか。